日光東町は街道の終点。
古くから街道筋が空間要素の多くを占めてきました。
面的に考えた場合には、きっと仕掛けが必要になります。
街の構造の弱点、どうにか逆転させたいものです。
<岡>
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キュービクル考
みなさま「キュービクル(Cubicle)」ってご存知ですか?
国土交通省では幹線道路や歴史的街並みを保存すべき地区において地中化、無電柱化を推進しています。最近の街路事業において電信柱を立てることはほとんど無くなってきています。
随分と街路景観に対する配慮(マニュアル?)が浸透してきたな~と思います。
しかし、電線類が地中に埋め込まれた結果、「キュービクル」という金属の箱が街路の所々に現れてきます。
▲松原町に設置されたキュービクル。
この「キュービクル」とは、変圧器、遮断機、制御盤等々高圧で受電するための機器一式を金属製の四角い箱に収めているので、キューブ(立方体)という語源からそう呼ばれているのだと思います。
管理上必要不可欠なものですが、これが結構存在感があり、目立ってしまいます。
最近では目立たないよう、焦げ茶色に塗装したり、ダウンサイズしたりしているようですが、緑がかったものなどは、景観上からも結構浮いていたりします。
以下、「キュービクル」の景観対策の事例を紹介します。
栃木市では緑系の金属の大きな箱であった「キュービクル」を、格子の木組みで覆い、「蔵の街」の景観に調和させています。
◆施工前
◆施工後
この他にも「キュービクル」が目立たないように、邪魔にならないように、工夫している事例が結構みられるようになっています。
他の街はどんな風に「キュービクル」対策を施しているのか、注意してみると面白くもあり、参考になります。
▲【益子町】
民地に置かれた例・・東電は永代借地料を支払っているのでしょうか?
▲【宇都宮市】
色は茶色に。そして「キュービクル」の両脇には植樹ボックスを配し、金属塊の違和感を軽減しようとしているようです。
▲【太宰府市(福岡県)】
太宰府天満宮の門前町の「キュービクル」。陶板で囲われていました。かなり思い切った対応だな~との印象です。
▲【大曽根商店街(名古屋市)】
建築デザインコードの厳しい商店街にある「キュービクル」。思いっきりペイントされていました。
<青>
坂道
そうえいえば、日光も坂の街ですね。
ひとつひとつ名前がついていましたでしょうか?
その界隈の由緒は大切に語り継がれていますでしょうか?
東町地区は、面的に考えた場合、大通り(線)を除くと横丁と坂道が重要な鍵を握っている気がします。
<岡>
ヒント
去年から開催している弥生祭展でのお茶の無料接待は、烏山の「山あげ祭り」からヒントをいただきました。
このお祭りでは、期間中に空き店舗等を活用して、無料の休憩所を数箇所設置しています。
夏の始まりの暑い時期に、街なかを歩いて祭りを見るのは、知らずうちに体力を消耗します。
初めてこの祭りを観に行った時、無料で冷たい麦茶等振舞っているこのスペースを見つけて嬉しくなったのを覚えています。
配布されるマップにも、駐車場と共に位置が印してあります。
当NPOでは、このゴールデンウィークにも郷土センターにてお茶の無料接待を行いました。
小さいことでも、大切な事。
日光の場合、そういうことを見逃してここまで来た気がしますが、いかがでしょうか?
<岡>
鹿沼にて
鹿沼でヒントとパワーを頂いてきました。
鹿沼で建物やまちの調査をしている学生さんに話を伺ってきました。
街なかに古くからの建物が点在する鹿沼。
道路拡幅等でそれらが姿を消す事が増えているそうです。
日光の場合、街なかで「培ってきた形」って何でしょうか?
建物でしょうか?
それとも「商売する」という事でしょうか?
「観光客を迎える」という事でしょうか?
気持ちは、少なからずかたちとして残るものではないかと思っています。
その中で「地域が価値を見出す」という事が一番重要なのだと思います。
119号大通りの拡幅も二歩目の展開が始まっています。
考えておかないといけないこと。
言っておかねばならないこと。
結構沢山ある気がします。
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<岡>