日光総合支所庁舎活用の検討委員会がはじまりました。

日光総合支所の新築移転の情報については、記憶に新しいところと思います。

さて、一方の現庁舎をどのように活用していくべきか。これについてを議論する委員会が11月からはじまりました。

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日光総合支所の外観。観光で訪れた方によく「何の建物でしょうか?」と尋ねてみるが、なかなか難しい質問のよう。「…お城みたい?」という答えが返って来る事が多い。道行く人が立ち止まり写真を撮る、まちなかの撮影スポットになっている。

各種団体等から推薦による12名の委員で構成されており、当法人からは私(代表:岡井)が出席しています。

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ここで、この建物の概要をザックリと。

この日光総合支所は、2006年(平成18年)の市町村合併まで長らく「日光市役所」の庁舎として活躍してきました。
木造3階(一部4階)建ての大ボリューム。1919年(大正8年)にできたそうですから、今年95歳を迎える建物です。
…しかし、この建物は建築当時は行政庁舎とは別の目的で建てられたそうなのです。

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合併後「総合支所」となったが、市役所時代の看板はそのまま残されている。

確かに、このお城の様な外観は行政庁舎以外のものを想起させますよね。

さて、何の目的で建てられたのでしょうか。

答えは

ホテル

です。

その名も「大名(だいみょう)ホテル」

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建設中。この石垣は今でも変わらない。

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同じく建設中の写真。入り口を入って右手を見たところ。特に階段とその付近に今も面影が残っている。

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「議会室」として使われていた部屋は、元々「ダンスホール」として設計されたものだそうだ。

しかし、この建物は結局ホテルとしてはほとんど供用されぬままに、地元企業に転売され、戦後GHQに接収されるなどの運命を辿りつつ(接収時は進駐軍の社交場になっていたとか)、当時の日光町に寄付されたことから庁舎としての歴史をスタートさせます。
(これだけでも色んな想像を掻き立て、わくわくしませんか?)
こんな紆余曲折、多様な顔を持つ(もつはずだったものも含めて)建物は今では登録有形文化財の指定と近代化産業遺産の認定を受けています。

日光門前のシンボルとも言えます。

検討委員会では来年の秋頃までにおよその方針を出すイメージで進められます。
老朽化、耐震性やその他いくつかの条件があるわけですが、ここは前向きに。

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11月の第1回検討委員会では、委員の声に応え急遽見学会が行われました。

当法人では、委員会での議論の他に、前向きなイメージを持ちながら広く参加ができる場づくりを行っていきたいと思います。(たとえばワークショップなど)
また、庁舎の現時点での活用、たとえば見学会・ツアーやカフェ実験などにつても積極的に行いたいと思います。

これは、委員会に出席している他団体様とも連携して行いたいと考えます。

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目指すべくは、「使っていくこと」「使い継がれる事」だと思います。

思い描き、実現に向けて進めましょう。

(岡井)